NISA口座 毎年変更可能に・・・

昨日11月26日(火)の報道でご存知かと思いますが、
どうやら、
NISA(少額投資非課税制度)口座を開設する金融機関を
1年単位で変更できるようになりそう
ですね。

 

政府は来月(12月)にまとめる「2014年度税制改正大綱」に
この件を盛り込むことになった、というニュースです。
(盛り込む方向で検討に入ったという、ニュアンスの報道もございますが)

 

金融庁からの要望だそうですが、各方面で言われていたことでもあります。
金融庁ではかねてより金融業界からの要望を踏まえて、
NISA専用口座を、複数の金融機関で開くことや
課税免除の対象を国債などの公社債、公社債投資信託も加える
という方向で検討をすすめていたはずですが、
それらは今回の税制改正大綱には反映されないようです

 

■参考:平成26年度 税制改正要望項目PDF (平成25年8月 金 融 庁)
http://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20130830-6/01.pdf

 

NISAの利用拡大を図るためには、まだまだ残された課題があります。
例えば
特定口座などとの損益通算ができないこと
などもそうです。
通常の口座でしたらできる損益通算が
NISAの場合はその対象にはなりません。
ならば、
損失が失せるまで持ち続けられるよう
英国ISAのようにNISA制度を恒久化してほしいという意見は続いています。

 

さて、
今回、「2014年度税制改正大綱」に盛り込む(方向)ことになった,
「口座を開設する金融機関を1年単位で変更できる」
ことに関しての話に戻ります。

 

毎年100万円ずつ投資できる非課税枠ですが
現行(といってもまだ始まっていませんが)制度では
NISA口座をいったん開設すると4年間は同じ金融機関で運用しなければならなかったわけです。

 

それが、
NISA開始1年後の再来年2015年からは
新規の投資枠は
別の金融機関でもかまわない
ということです。
5年間、1年毎に別の金融機関を利用すれば
最大5つの金融機関にNISA口座を作ることができます

 

また、現行制度ではNISA口座を廃止すると、
新しい口座は作れない
(最長4年になる)というものでした。
今回の税制改正大綱では
いったんNISA口座を廃止しても翌年は新口座の開設ができることになります。
海外転勤で口座廃止を余儀なくされた方が、
帰国してからNISA口座を開設できることとなった訳です。(NISAは日本居住であることが必要)

 

もうひとつ、税制改正大綱に盛り込むことになりそうなのは
NISA口座開設の簡素化です。
毎年金融機関を変えることができるとなると、その口座開設の煩雑さが問題になりはしないかということでしょう。
具体的には
住民票の写し(現行では必要)の代わりに所謂「マイナンバー」を利用するというものです。

 

マイナンバーはご存知でありましょうが、
「社会保障と税に関わる番号制度」で2016年から利用を開始することになっています。
で、NISA口座開設の際にこのマイナンバーを通知することによって、
住民票の写しに替えようというものです。

 

(2013年11月27日・記)

関連ページ

少額投資非課税制度NISA・資産運用初心者に朗報!?
「少額投資非課税制度」2014年1月から始まる。 個人資産が増やしやすくなるのだろうか。
NISA(少額投資非課税制)で何ができるの?
少額投資非課税制(NISA=日本版ISA)で できることと、できないことを わかりやすくご説明しようと試みてみます。
NISAの 「デメリット」、「問題点」、「落とし穴」
NISA(少額投資非課税制度)への関心が高まっています。 「デメリット」、「問題点」、「落とし穴」を探ってみましょう。
NISA(少額投資非課税制度)・問題点と期待と
前回は 「NISAの デメリット・問題点・落とし穴」でしたが 今回は同じテーマを「NISAへの期待」としてお話します。
NISA口座はどこで開設するのがいいのか
NISA口座開設の決め手はあるのでしょうか 証券会社、投資信託会社、銀行・・・・ ネット証券もありますねぇ・・・ どこがいいのでしょうか
NISAの決め方【1】《初心者だって もう迷わない!!》
NISA口座をどこの金融機関で開き、どのようにNISA口座をどこの金融機関で開き、どのように運用するのか。 各金融機関の取り扱い商品とサービスを知っておきたい・・ このページでは金融機関のキャンペーンを取り上げました。運用するのか。 各金融機関の取り扱い商品とサービスを知っておきたい・・
NISAの決め方【2】《 NISA口座を比較!》
金融機関のNISA口座取扱い商品を比較して表にしました。 目的に応じた投資タイプを。 初心者もベテランも、もう迷わない!!
NISA口座/決め方【3】 《ネット証券と投資信託》
NISAを活用しての資産設計にあたり、 ネット証券の投資信託にフォーカスしてみると・・・
NISA 活用法【1】《投資信託をわかりやすく》
ニーサの選び方・初心者講座 運用にはなぜ投資信託がよいのか 長期投資ってなん年間?
NISAの落とし穴(第2回)
NISAの 「デメリット」「問題点」「落とし穴」シリーズの第2回目です。 ニーサ口座開設は銀行ですか、証券会社ですか。
NISAの落とし穴(第3回)
ニーサ(少額投資非課税制度)の問題点について。 5年後のシミュレーションで、非課税枠を検証します。
NISAの落とし穴(第4回)【分配型の落とし穴】
NISA年代別活用法 投資信託の分配型には落とし穴も・・ 今回は20〜40歳代の投資初心者を想定しての NISA活用法を探ってまいります。