NISAの落とし穴(第4回)【分配型の落とし穴】
当サイトでは
NISAでの運用は投資信託が向いているというお話を続けてきました。
それぞれの投資家が異なる背景をおもちですから
一律に同じ商品が適しているとは申せません。
たとえば60歳代後半の方でしたら、
20代30代とはちがい、
年間100万円の資金はさほど大きなものではないかもしれません。
投資できる金額や年齢、あるいはリスクに対するお考えなど
さまざまです。
そこで、年代層に分けて
NISA投資の活用法を考えてみましょう。
年代層によってわけての考察はやや類型的、教科書風になろうかとも思いますが、
投資「初心者」を念頭に置いてすすめてまいります。
今回は、
投資信託の「分配型には落とし穴も・・」と題してお届けします。
投資信託の分配型には落とし穴も・・
年代別NISAの活用法の第1回目です。
ここで
想定している年代は20〜40歳代です。
NISA 活用法【1】
では「長期投資と投資信託のはなし」と題しまして
長期に渡っての運用は複利の力を強める
と申しました。
仮に現在30歳の人が
毎月々月3万7千円を積み立てて年利5%で運用すれば
60歳までに◎3,000万円がたまる計算になります。
◎元利合計30,97A3,791円 [元本総額:13,320,000円、運用益(利息):17,653,791円、
利益率:132.5 %]
↑これが複利の力ですね。
NISA口座で運用することを考えてみましょう。
・毎月4万円の投資を行ったとします。
・年間48万円(4万×12月)
・この1年間の48万円が5年後に、50万円に増えたとします。仮定です。
・この50万円と5年目の年間投資48万円を足すと、
6年目の投資額は98万円になります。
・2年目の48万円も5年後に、50万円に増えたとします。仮定です。
・この50万円と6年目の年間投資48万円を足すと、
7年目の投資額も98万円になります。
上の例でもうしますと年間拠出額上限のの100万円に届いていませんので、
全額98万円を6年目に移管できることになります。
上記のようにこれを繰り返していけば
NISAでは最大500万円まで非課税で運用できるわけです。
毎年の48万円が五年後に毎回50万円になるというのは現実にはないでしょう。
収益には変動がありましょうから、大きく増えることも減ることもあります
それにしても、これを分配型で運用してしましますと、
福利効果が得られません。
ですから
投資信託であっても分配型はおすすめできません。
さらに重要なのは、分配型では
NISAの非課税枠の恩恵が得られない投資、ということになってしまいます。
福利効果とNISAを活用という意味においても、
分配型投資は避けて資金を途中で引き出すことなく
資産の増大を計画することが肝要かと思います。
投資信託の分配型について
投資信託の分配型について少し触れておきます。
投資信託の分配型は
保有者に「分配金」を定期的に支払うものです。
最近は毎月分配型が好まれる傾向にあるようです。
そのほか支給頻度は年1回、年2回、3カ月ごとなどとさまざまです。
分配金の主な原資は運用益で、支給額はそれぞれ異なります。
運用益からではなく、元本を取り崩して支払われる分配もあり、
注意が必要です。(運用成績が悪い場合には基準価格が減少して、原資の目減りが避けられないということになります。)
●運用益が原資の分配金を「普通分配金」と言います。
●元本払い戻しの分配金は「特別分配金」といって区分されています。
分配金の「普通分配金」に限定する規制の動きもあるようです。
「普通分配金」「特別分配金」は取引残高報告書などで確認することが大事です。
投資信託は投資ですから元本が保証されてはいません。
「高利回り」「高分配」などのうたい文句にまどうことなく、
リスクはきちんと理解して活用したいものです。
20代から40代の現役世代が
長期の投資を視野に入れて、NISAを活用するなら
特別分配金でも普通分配金であっても
投資信託の分配型は避けるべきだと考えます。
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