NISAのロールオーバー【問題点、デメリット、落とし穴】

ロールオーバー

 

・NISAは毎年100万円ずつ、5年間投資できます。これはご存知ですね。
でもロールオーバーをつかえば非課税枠は最長10年間あるのです。

 

NISA

・おさらいです
非課税となる額と期間:・毎年100万円・最長5年間。
制度の対象となる期間:2014年〜2023年。

 

 

・5年で非課税期間が終了しましたら、3つの選択肢があります。
通常の口座(一般口座、特定口座)に移す。
売却
ロールオーバー

 

・通常の口座(一般口座、特定口座)に移して運用すれば、課税の対象ですね。

 

・さてここからがロールオーバーのおはなしです。

 

5年経ったNISA口座のうち100万円以内を、
さらに非課税口座を使った投資をはじめることができます。

 

例えば
2014年にNISA口座で100万円投資したA投信
2018年には120万円になったとしましょう。
          ↓
2019年に、
その120万円のうち100万円を、新たに5年間非課税で運用できます。
その120万円のうち20万円は通常の口座(一般口座、特定口座)に移すか、
売却ですね。

 

これがロールオーバーです。
NISAの非課税期間は最長5年ですが
さらに最長5年の非課税期間を利用することができるということです。

 

2014年にはじめた投資は⇒2018年12月末まで
2015年にはじめた投資は⇒2019年12月末まで
2016年にはじめた投資は⇒2020年12月末まで
2017年にはじめた投資は⇒2021年12月末まで
2018年にはじめた投資は⇒2022年12月末まで
2019年にはじめた投資は⇒2023年12月末まで

 

ハイここまで。
先ほど「ロールオーバーをつかえば非課税枠は最長10年間ある」と申しました。
2014年の年頭から2023年12月末までで10年間です。

 

NISAでは、預けた年から起算して5年目の年末に1度だけ、
ロールオーバーできるのです。

 

 

 

 

・くどいようですが、もう少しお話しします。

 

下がった場合です。
例えば
2014年にNISA口座で100万円投資したB投信
2018年には80万円になったとしましょう。

2019年に、その80万円をロールオーバーして
さらに20万円分の運用ができます。

 

ロールオーバーの問題点、デメリット、落とし穴 

 

 

先ほど「例え」で示したものは
A投信B投信でした。

 

なぜ株ではなくA、Bとも例として投資信託なのかを申しますと、
はなしがめんどうで、ややこしくなりそうでしたから。

 

投資信託でしたら「金額指定」で100万円分だけ非課税口座に残せ    ますから、
枠を使い切ることができるわけです。わかりやすい。

 

投資信託でのロールオーバーはもうお分かりでしょうから、
それでは、「株」でいきますよ。

 

株への投資は単元株(売買できる最小の株数単位)ごとですから。
例えば
2014年1単元50万円のC株を2単元株分100万円購入したものが
2018年1単元60万円、合計120万円になったとします。

 

2019年ロールオーバーできるのは100万円ではなく、1単元分(60万円)です。
残りの1単元分(60万円)は通常の口座(一般口座、特定口座)に移すか、売却です。
ということは、2019年追加枠は40万円あります。

 

ETFでもJ-REITでも株と同様のことがいえますね。

 

 

このあたりが、ロールオーバーの問題点、デメリット、落とし穴、
というわけです。

 

NISAは投資信託と相性が良い、というのは、このようなこともあるからです。

 

新聞を見ますと、金融庁では
「NISAの利用状況を見ながら使いやすい制度への見直しを検討」、と言っていますから、ゆくゆくは英国ISAのように恒久化ということもあるかもしれませんね。

 

 

こちらのページには図入りで
株価が5年後に上がっていた場合と、
株価が5年後に下がっていた場合を比べて載せてあります。
   
NISA5年後の落とし穴

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